今回は、スピルバーグ監督の映画『リンカーン』をご紹介したいと思います。折角D.C.にいるのですから、こういった政治的歴史的映画も見ておきたいものです。
同映画は、周囲のアメリカ人には好評で、実際、興行的にも、歴史ドラマとしては例外的な成功を収めたそうです。
以下、私の感想を若干記載します。
まず、映像等のつくりは、さすが、素晴らしかったです。また、リンカーンの家族との確執も触れており、これまでにない視点だと思います。主演のリンカーン大統領夫妻を演じたダニエル・デイ=ルイスとサリー・フィールドの演技は重厚そのものでした。
でも、これは、リンカーンの伝記映画かというと、ちょっと違います。
ストーリーは、南北戦争の終結の前に政治課題となっていた、「合衆国憲法修正第13条」(憲法上の奴隷制禁止条項)を下院が可決するかどうかという、非常に短期間の出来事に絞っています。北部内部の政争が主眼であり、南北分裂の経緯も、奴隷制に固執した南部の姿も描かれていません。奴隷解放宣言も出てきません。
したがって、アメリカの歴史に詳しい人であれば、理解は難しくないのでしょうが、なんら予備知識がないままこの映画をみると、話しに入っていきにくいと思われます。そもそも、人種問題に対する両政党の立ち位置も、当時と現在では違いますからね。私はこの当時の事情について映画を見る前に勉強してから見ました。
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