1月12日、ワシントンD.C.(Washington D.C.)で、地下鉄のトンネル内に煙が立ち込め、当局によると女性1人が死亡、80人以上がけがをしたそうです。
場所は、ワシントン中心部にあるランファンプラザ(L'Enfant Plaza)駅。同駅はイエロー、オレンジ、ブルー、シルバー、グリーンなどの地下鉄路線が停車する主要駅です。
駅には煙が充満し、利用客らが避難する事態となりました。ワシントン緊急医療当局によると、84人がけがをして病院に搬送され、消防隊員1人も負傷。さらに約200人が検査を受けています。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は、2人が重傷を負ったと伝えました。
乗客は約40分にわたりトンネルに停車した車両に閉じ込められ、消防隊員の誘導で脱出しました。乗客の話として、次第に車内の煙が濃くなり、息苦しくなったそうです。また乗客の1人は、煙は車内では化学物質のような臭いがしたが、トンネルに出ると木を燃やしたような臭いに変わったということです。
警官や消防隊が駆けつけ同駅を閉鎖して対応にあたったため、ワシントンの地下鉄6路線のうち2路線が一部区間で一時的に運行を見合わせました。騒ぎがあったのは午後のラッシュアワーの時間帯で、地下鉄各駅では代替の帰宅手段を探す通勤客らで混乱しました。
ワシントン地下鉄は「ランファンプラザ駅から乗客を避難させ、一時的に同駅を閉鎖した」との声明を出しました。煙が出た原因は特定できていないということです。
その後、13日、米運輸安全委員会は、電気系統に不具合があったとの見方を示しました。
トンネル内で停車した車両の約330メートル先にあった給電用のレールが、水にぬれるなどの理由で放電し、煙が出たとみられています。調査完了には半年から1年がかかるということです。
真っ先に地下鉄サリン事件を思い出しましたが、どうやらテロではないようです。アメリカの公共施設はもともと古そうですが、実際、中身も劣化が進行しているのでしょうか。